鳥になったように聴こえる [音楽]

村治佳織のAMANDA

村治佳織 新世界!

今まで村治さんの演奏はソロギターしか聴いたことがありませんでした。
ストリングスと綺麗に絡み合った爽やかな響きは、クラシックギターの世界に新しい風を吹き込んでくれたかのようでした。
特に一曲目。毎日聞いています!

村治佳織はどこへ行く?

村治佳織の初のクロスオーバー・アルバムで、ファンにはうれしいDVDも付いている。確かにストリングスにのってメロディーを奏でる村治のギターは心地よいが、ギタリスト村治としてはこの路線はどうなのだろうか。若くして人気が沸騰し、メジャーのDECCAに移籍した村治はどこに行こうとしているのか?サンバーストなどのラテン系の曲、カヴァティーナなどのポピュラー、そしてなによりアランフェスやロドリーゴのソロでの正攻法の名演奏が懐かしくなるのは私だけか?

鳥になったように聴こえる

CD一曲目「Ciel?空? 」イメージですが・・・
ストリングスのサウンドが大きな風のように聴こえ、
村治さんのギターサウンドが風に乗り軽やかに空を飛ぶ鳥のように思えました。
・・・イメージ・・・
不思議と最初のギターソロで谷筋を遡る鳥のように思え
ストリングスのパートに変わる瞬間にその鳥が山々の頂に達し風と共にどんどん高度を上げ見果てぬ遠くの空に向かっていくようなイメージがしました・・・

5曲目の「Juin」も穏やかでやさしいサウンドの心地よさに心がジーンとしてくるのは何故だろう。作曲の松本俊明さんやアレンジャーの大島ミチルさん達の心意気と村治さんやストリングスの演奏が最良なマッチングを導きだしたのだろうか?などと思ったりする。

他の収録曲も心地よい緊張感を感じ飛ばして聴く演奏が無いと思います。
DVD収録の映像と演奏も良いのですが清く演奏のみに絞ってCD一枚に収めても聴き応えは十分だったのではと思えるところ(個人的意見ですよ!)

もしもこのセッションでお蔵入りになった演奏があれば是非とも聴いてみたい。今すぐでなくても時代を経ても良いから私はもっともっと聴いてみたいと思います。

AMANDA(DVD付)


タグ:村治佳織

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まったく古さを感じさせない音楽の響き [音楽]

小澤征爾の武満徹 ノヴェンバー・ステップス

自分にとって「現代音楽」との邂逅となった1曲

 高1か高2の頃、友人が聴かせてくれた武満氏の初期作品「アステリズム?ピアノと管弦楽のための」こそが、自分にとってはいわゆる「現代音楽」との邂逅であった。明確なリズムの存在しない、不協和な音の塊。音と音との間に絶妙の間合いではさみ込まれる「沈黙」。著書『音、沈黙と測りあえるほどに』の題名をそのまま体現したかのような音楽。そして曲の終盤に現れる、聴く者に生理的恐怖感さえ感ぜしめる大音響のトゥッティ。すべての楽器の音が渾然一体となって、圧倒的な音量で迫ってくる様は、とても言葉で表現できるものではない。この曲については、かの村上龍氏も何かのエッセイで言及していたように思う。
 そのとき聴いたのは『小沢=武満’69』というLPで、他にも氏の代表的初期作品「弦楽のためのレクイエム」「グリーン」「地平線のドーリア」が収められていた。このCDはその4曲に「ノヴェンバー・ステップス」を追加したもの。どの曲もみな信じがたいほどの美しさを湛えている。無調の音楽、不協和音を主体とする音楽がこれほど美しいとは。初めて聴いたときは、それまで明確な調性を有する音楽しか聴いたことがなかったウブな高校生にとっては、衝撃以外の何ものでもなかった。
 改めて聴き返して、その頃を懐かしく思い出すとともに、まったく古さを感じさせない音楽の響きに、今さらながらに驚いている。

40年前 ニューヨーク州サラトガ音楽祭のプログラムから

今から41年前、1968年8月17日、Saratoga Performing Arts Center 1968 Season に小澤征爾さん指揮、鶴田、横山さん、フィラデルフィアオーケストラ、ピアノは J.Browning との共演のプログラムが見つかった。この曲はニューヨークで作曲されその年1967年11月が初演と云うから、まだほとんどの聴衆がこの曲を知らない時といえる。残念ながら私も知らない音楽ファンの一人で、この音楽会には出かけなかった。
遅ればせながら、懐かしさも手伝ってこのCDを購入した。
この曲を聴いてみて、当時の海外に住む日本人知識人層の知性への憧れ、洗練され神経質ともいえる純粋さ、決して日本的なものを西洋音楽に融合させるのではなく、言い訳を必要としない純粋な音楽の創造を目指し成功した作品であったと思う。
夏のリゾート地、半野外の大きな会場でこの曲が選ばれて演奏され、アメリカの聴衆にどんな反応を与えたか、この音楽会に出かけなかったことがいまさらながら惜しまれる。

仕事のbackground musicには向きません

僕が持っている武満の唯一のディスクです。どういうわけか職場においてあり、休日出勤の際に仕事をしながら、いつもかけるのですが、どういうわけか、仕事との相性はよくないようです。エクセルのワークシートをベースに、日経平均のdownslideシミュレーションがらみの作業をやったりすると頭がいらいらしてきて気が狂いそうになってしまう作品ばかりです。映画音楽(古都)として使われる際にはぴったりなのですか。

武満徹:ノヴェンバー・ステップス

タグ:小澤征爾

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チャイコフスキーのロマンが十分に [音楽]

庄司紗矢香のチャイコフスキー:ヴァイオリン協奏曲

小さくまとまっている

庄司さんのバイオリンは初めて聞きました
好感が持てる音色で 本人を見たことはありませんが 小柄で華奢な感じのちょっと背伸びしてみた そんな音色でした
バックのオケが 指揮が 確かにテンポが遅いし チャイコフスキーの音楽にしては妙にきれいすぎる印象を持ちました
チャイコフスキーの音楽の自分の印象は かわいらしい音楽と違う「1812年」に表れるような 象の 熊の そんなイメージ(ってどういうの?)なんですけど ちょいモーツァルト意識しつつって感じかなあ
う?ん 好みが分かれるか… 
嫌じゃないけどチャイコフスキーはこんなきれいな感じにまとまると変なカンジでした

メンデルスゾーンは作曲家についてあまりよく知らないけど曲は有名ですね 
これはチャイコフスキーほどの違和感はなくすんなりと聞けました
きれいにまとまってました

チャイコフスキーのロマンが十分に楽しめます。

バンドが東欧らしく、チャイコフスキーの音楽が楽しめる。ヴァイオリンは丁寧で、かつ愛らしく、かつ場面の展開表現が豊です。チャイコフスキーのこの曲を1枚買うとしたらとても楽しめる1枚では無いでしょうか?

素晴らしい

素晴らしい演奏です。あの独特の味わい深い音色は彼女にしか出せないものだと思います。小さな体からは想像もつかないような力の入った演奏で、大好きなチャイコを情感豊かに奏でており、毎日飽きずに聞いています。やっぱり彼女は良いです。
チョン・ミュンフンの指揮は全般的にテンポが速いのですが、オケの演奏(特に金管のバランス)と彼女の演奏力が合わさると思った以上に聴き応えがあって、中々どうして聴いているうちに結構好きになりました。


チャイコフスキー:ヴァイオリン協奏曲



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子どもたちへの子守唄/ファンデ [音楽]

仲道郁代の田中カレン/こどものためのピアノ曲集

星めぐりの歌が聴こえる。素敵なピアノ小品集ですね。

 全天88の星座から16の星座を取り上げ、四曲ごとのまとまりで構成された作品。一曲が40秒から、長いものでも3分とかからない小品集。星座名にもなっている動物たちが、「星のうた」1?4を境にちりばめられ、キラリと光り輝いています。吉松 隆のピアノ曲の名品、ふたつの『プレイアデス舞曲集』(田部京子のピアノ)に通じる趣がありますね。

 全部で二十の曲のなかでは、天の川のように作品全体の架け橋となっている「星のうた」1?4と、ちょこまかした素早い動きの「かに」、きらきらしい「うお」、白いつばさで天翔る「はくちょう」の七曲が魅力的。夜空に広がる星座のファンタジーいうのを感じました。

 綺麗な鉱石を思わせるピアノの小品を、素直な、美しいタッチで弾いた仲道郁代(なかみち いくよ)の演奏も素敵ですね。好感の持てるものでした。1997年6月9?13日にかけて、福島県棚倉町文化センター「倉美館(くらびかん)」での録音。

 ひとつ残念だったのは、CDジャケット・カバーの写真が作品にふさわしいものでなかったこと。小さな子どもの手にお母さんが手を添えて、ピアノの鍵盤に導いている写真がカバー中央に置かれているのですが、このピアノ小品集の曲想とは全くかけ離れた、センスのないものだと思ったなあ。作品、演奏とも期待を上回る出来映えだっただけに、このジャケットカバーは、本当に惜しい。★ひとつ減らさせていただきました。

子どもたちへの子守唄

20世紀の音楽が『プレイアデス舞曲』の吉松隆氏の言う音楽ばかりでなく
たとえば、この田中カレンの作品集【星のどうぶつたち】も
同じようにシンプルで夢を見るような小品集です

ここでは“星のうた”を4曲間に挟んで16の星座が登場します。
子守唄のように優しくそして幼子を寝かしつける際に傍らで語り継ぐ星の物語

長い曲でも“ライオン”の2分52秒しかありません。

「夜空のお星さまにはお話しがあってね…」

隣でいつのまにか
スヤスヤと眠りにつく我が子の寝顔を見てホッと安心する瞬間
思わず抱きしめたくなるぐらい。

この作品集も愛らしくシンプルで
どの曲にも子どもの笑顔や安心して腕の中で寝息を立てる優しい顔が浮かんできます


思わず自分でも弾きたくなってしまうかもしれません。
楽譜も出ているので、ぜひどうぞ。

こどものためのピアノ曲集 星のどうぶつたち

子供のための「銀河鉄道の夜」

「こどものための」というキーワードに迷って長らく買わずにいましたが、
このCDを入手し、聴いてみて「もっと早く買うんだった!」と思いました。

子供向けとは言いながらも、かなり音楽性の高い曲集だと思います。
たとえて言うなら、サン=サーンスの「動物の謝肉祭」と、ムソルグスキーの
「展覧会の絵」を足して割ったような感じです。

仲道さんの演奏もすてきで、「うお」は魚が体を細かく震わせている感じが
よく出ていますし、「はくちょう」のクリスタルで透明感のあるアルペジオは
さしずめ「銀河鉄道の夜」といった感じです。

ピアノを習っている方は、楽譜と一緒に買うことをお勧めします。

田中カレン/こどものためのピアノ曲集

ファンデ

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大人の音色ですね/エスティローダー [音楽]

川井郁子のナチュール

しなやかに伸びる音たちが素敵です

パッショアナータと両方購入したのですが、個人的にはこちらのほうが好みです。
パッショアナータも良いのですが、アレンジ無しのクラシックが耳に馴染んでいるため
少し違和感を覚える時があります。
どちらも素敵な曲が満載ですので、主題のイメージを膨らませながら聞くと楽しいです。
良いアルバムです。

必要なもの

大人の音色ですね
空気感がよく癒されます。
「静」・・現代人に一番必要なものかも知れません。

ナチュール(Nature)

エスティローダー

タグ:川井郁子

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音色は心地よかったです/体重 [音楽]

五嶋龍のRyu Goto
音色は心地よかったです

五嶋龍さんは時々テレビで見かけるので気になっていましたが、
きちんと演奏を聴くのは初めてでした。

クラシックに詳しくないので 好みの話になりますが
音色は心地よく耳に入ってきて
所々情感を感じる演奏でした。

けれども、技術的な未熟さ、音程の不安定さが
どうしても引っかかってしまいます。

今後の飛躍を期待します。

新鮮な演奏

五島竜さんのリサイタル曲CD。リスト・パガニーニのラ・カンパネラからサラサーテのカルメン幻想曲まで、代表的なバイオリン作品を中心に収録されており、バイオリンの魅力を堪能できる、典型的なバイオリニストのソロCDだ。非常に高い演奏能力を遺憾なく発揮しているが、録音されている音にエコーなどのエフェクトが少し掛かり過ぎている印象があり、その音響効果はヴィターリのシャコンヌなどでは楽しむことが出来るが、他の作品では細かい音色の変化や、ニュアンスが分かり難くなっている。そこは非常に残念だ。それもあって五島竜さんの演奏の表現が乏しいという他のレビューに見られる意見は必ずしもこのCDからだけでは詳しくは分からない。

一概には言えないが、表現が乏しいのではなく、すっきりと軽めに演奏するのは彼だけではなく、最近の演奏者に共通している傾向だと思う。作曲家の意図に合わないと思われる演奏は避けなければならないという考えが浸透しつつあるので。それから、クライスラーやヴィターリなどの有名な曲を演奏するのは曲を聴く手にすでに理解されているので、若手はそれを上手く聞かせるのに基本的に苦心するものである(クライスラーはそれでもとても良く仕上がっているが)。比べ、タケミツやルスラフスキは圧巻させられるような出来だ。よって彼の演奏が「未熟」であるというような他のレビューの意見は若干浅薄であるように感じる。そうではなく、むしろそれが彼の演奏法であり、個性的で現代的な表現法であるという理解が先行した方が良い。

さて、演奏自体は良い。難解な技巧曲をいとも簡単に弾いてしまっているような印象があり、彼の人間性や芸術的性格が見られ、一つ一つの楽曲が新鮮に楽しめるように仕上がっている。そしてなにより、日本人の演奏による武満徹の悲歌が聴けるのはとても素晴らしい。

残念

ヴィターリのシャコンヌが大好きなのでこのCDを聴いてみましたが、

うーーーーーん・・・・・・・

ハイフェッツと同じオルガン伴奏、同じカデンツァの楽譜なので
ついついハイフェッツと比べてしまうのも可哀想なのですが、
贔屓目に聴いてみても少し、いや、かなり苦しい。
甘ったるいというか、全体的に自己主張が感じられず、
「17歳の勢いのある少年」の姿がまったく見えない。

あいにく少年の頃の彼を知らないので
「よくがんばりました☆」的ご祝儀評価はつけられません。
だから少し辛口。ごめんね。

Ryu Goto


体重計


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スラヴ幻想曲がすごくいいんです/キャス [音楽]

宮本笑里のsmile
岩代太郎氏の曲と宮本文昭さんのオーボエの演奏がとても素晴らしかったです。

 宮本笑里さんのヴァイオリンの演奏自体は可も不可も無し。3曲目『アヴェ・マリア featuring 宮本文昭』と<ボーナス・トラック>の13曲目の『第三の男』で共演した父親の宮本文昭さんのオーボエの演奏と、岩代太郎氏が作曲した7?10曲目『無言歌集/ソロ・ヴァイオリンと弦楽オーケストラの為に』はとても素晴らしかったです。

改めて聴き直しましたが...

優等生が教科書通りに弾いたって感じ。
ぐっと来るモノが無く、心に残らない。
tearsの方が良い出来だと思う。

スラヴ幻想曲がすごくいい

スラヴ幻想曲がすごくいいんです!
これってドヴォルザークの「わが母が教えたまひし歌」と同じかな?

smile

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気分が明るく落ち着く/プラダ [日記]

アカデミー・オブ・セント・マーティン・イン・ザ・フィールズのモーツァルト療法
胎教用に購入しました

妊娠5カ月の後半から、家事をしたりちょっとゆっくりしたい時に聴いています。
クラシックは大人になってからあまり聞いていませんでしたが、このCDは飽きずに聞く事が出来ました。
お腹の赤ちゃんも良く動いてくれてるようで、一緒に聴いてくれていると思います。
レビューを見てから胎教用に2だけ先に購入しましたが、1と3も買ってみようかなと思います。

気分が明るく落ち着く

私はもともとモーツァルトは好きなのですが、これは気持ちがゆったりとして落ち着きます。切迫早産で入院中に購入しました。ピアノやオーケストラなど、何度も繰り返し聞いても飽きない内容です。

いい子が生まれました♪

以前モーツアルトを聞くと育てやすい子が産まれると聞き、妊娠中、出産後の現在と聞いています。おかげで今まで夜泣きもないし、何もトラブルもなくすくすくと育ってます。あまり気負わず、車に乗っているときや、思い出したときに流す程度でも十分気持ちも休まるし効果があったと思います。

モーツァルト療法 ~音の最先端セラピー ~2.胎児の耳に響くモーツァルト ~聞き耳を立てている胎児の耳へ贈

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ミステリーの宝庫/セカンド [日記]

I・アシモフのビッグ・アップル・ミステリー

粒ぞろいの作品群ながら翻訳に難あり!

流石にアシモフ先生編集なので面白い作品が多いのですが、首をひねらざるを得ない日本語があまたあるのに気付きました。どうも翻訳に難があるようです。アシモフ先生自身が著した「黒後家蜘蛛の会」の傑作「よきサマリアびと」が載っていますので冒頭の一節を本書の常盤新平訳と黒後家シリーズ通しての訳者である池央耿の翻訳で比較します。●常盤訳「黒後家蜘蛛の会は、マリオゴンザロが月例の会食のホスト役をつとめるときは、異常事態を覚悟しなければならないことを身に沁みて知っている。彼らはまったく自動的に惨事に対処する心構えをするという境地にまで達していた。彼のゲストが到着したとき、定員がちゃんとそろっていて、ゲストの方もせめて片ことの英語を話せるようなら、青天の霹靂みたいなものだった。」●池訳「<黒後蜘蛛の会>の面々はたび重なる苦い経験から、マリオゴンザロが月例会食のホストに当たったときには何かしら常ならぬことが起こらずには済まないと覚悟していた。いや、それどころではない。彼らは知らず知らずのうちに天変地異に対して身構えるような気持ちにすらなっている。ゴンザロに連れられてやって来たゲストが人並みの頭を持ち、少なくとも片言の英語くらいは話せるということであれば、一同はほっと安堵の胸を撫でおろすほどである。」…原書にもあたりましたが池訳は正確で日本語も練れています。一方常盤訳は「定員がちゃんとそろっていて」と「青天の霹靂」が明らかに誤訳ですし日本語も稚拙です。まるで出来の悪い学生の英文和訳の解答のようです。このような翻訳和文が全編通じて続きますので読む方は隔靴掻痒の感にさいなまれます。面白いアンソロジーなのに残念でなりません。


犯罪都市ニューヨークはミステリーの宝庫

ビッグ・アップル・ミステリー―マンハッタン12の事件

セカンドバッグ


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アメリカの時代の変化を感じ取れる/ショルダー [日記]

デヴィッド ハルバースタムの男たちの大リーグ

本物の大リーガーたち

本書を読んでから、現在の大リーグ(MLB)に興味がなくなってしまった。現在の大リーグが好きでたまらない人は読まない方がいいかもしれない。プレーオフが無意味だとは思わないけれど、この本を読んでしまうと、どうなんだろうと考えてしまう。それに、ジョー・ディマジオやテッド・ウィリアムズといった本当の超一流の大リーガーたちが出てくるわけだから、今の大リーガーたちが霞んでしまうのも仕方ない(記録面では、上回っている選手がたくさんいるんだけど、何かが足りない)。
本書の責任ではないが、ここで描かれた時代の大リーグには、黒人が極めてすくなかったことだけが残念。
大リーグ好きにではなく、野球好きに読んで欲しい本。

最高のスポーツ・ノンフィクション

 既にノンフィクションライターとして押しも押されぬ実績を持ったハルバースタムが己の幼少期のあこがれであったメジャー・リーガー達を題材に満を持して挑んだ傑作。

 私がこの本を読むまで知っていた登場人物は有名なディマジオ兄弟と天才打者テッド・ウィリアムズ、後はせいぜい剛球リリーフ・エースのジョー・ペイジ位で、それ以外はこの本を読んで初めて知った人物ばかりであったが、取り上げられた多くの選手への丁寧で愛情溢れる描写が素晴らしく、読み終えた頃にはどの選手も昔から知っているかの様に思えた。

 子供の様に無邪気ながら頑固でマスコミやファンとの全面対決も辞さないウィリアムス、孤高で怪我と戦いながらも現役最後の輝きを見せるジョー・ディマジオ以外でも文盲で大酒飲みのレッドソックスのエース、エリス・キンダーの項は古の豪傑を観る思いであった。

 グラウンドや選手以外にもウィリアムズを執拗に攻撃するスポーツライターや、ヤンキース選手行き着けであったナイトクラブの文化、当時ニューヨークやボストン近郊に住んでいた現在の著名人達にとって子供時代にいかにベースボールが重要な存在であったか等の記述も実に興味深かった。

スポーツ書かせても面白い

原題は1949年の夏。ヤンキースとレッドソックス、ディマジオとテ
ッド・ウィリアムズの争いを描いている。1948年、プレーオフに敗
れたレッドソックスは、翌1949年、残り二試合を残した時点で首位
に立っていた。あとは一ゲーム差の二位ヤンキースとの直接対決ニ連戦
を残すのみ。そこにいたるまでのプロセスとニ連戦を、希代のストーリ
ーテーラーハルバースタムが余すことなく書き上げている。
同時に、人種問題(黒人選手)、マスコミとチームと選手との関係変
化、テレビの登場といった、背景にある事柄を、いつもの彼のスタイル
どおりエピソードを積み重ね書いていく。
いわば、古きよき時代の最期を彼は書いたことになる。これは彼の別の
作品「フィフティーズ」の直前の時期でもある。同時に「フィフティー
ズ」も読むと、アメリカの時代の変化を感じ取れる。

男たちの大リーグ

ショルダーバッグ


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