シューマンの作品に馴染みがない方は、ぜひ [日記]

ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団のシューマン 交響曲全集
《ライン》は決定盤と言うべき名演…ただ、《4番》はフルトベングラーの方が好みかな。

《春》は良い!が…スケールを大きくし過ぎた感も有る。これは《2番》も同様かな、グッドマンのピリオド演奏を聴いたら初期二曲は大風呂敷広げない方が良い気がした…でも、モダンオーケストラではバーンスタイン盤が一番聴き易い、彼にしては珍しい見通しの良い、のめり込み過ぎない演奏。《ライン》は、如何にもバーンスタインらしいスケールの大きな劇的で情緒たっぷりの演奏、大河の流れですね。「シューマンの交響曲はオーケストレーションが良くない」なぞ訳知り顔でと言う輩を黙らせる問答無用の名演だ。《4番》はバーンスタインの晩年にたまにある…ただテンポの遅い退屈な演奏だ。(シューベルト《グレート》とかね、メンデルスゾーンとかね(笑))やっぱり、この曲はフルトベングラーでしょ?

見直されるべきシューマンの価値

シューマンはピアノ作曲家
僕自身、このようなイメージに囚われていた。

「シューマンの管弦楽曲は良くない。」

こんなイメージを持っていました。
しかしそれは間違いだと、今なら認める事が出来ます。

シューマンの交響曲は、全4曲全てが素晴らしいと言える。
僕はこの、バーンスタイン盤を購入したわけですので、当然この盤しか知りません。
ですので、これはバーンスタイン盤への評価でしかないわけですので、ご注意を。
しかし、演奏に熱がこもっていて、正に熱演と言う感じがします。

シューマンは交響曲を作曲するにあたって、相当の思い入れがあったそうです。
そんな、シューマンの思いがこの4曲に詰まっています。
人それぞれ、お気に入りはあると思いますが、僕自身は交響曲第三番『ライン』に、特に感銘を受けました。
明るい未来に向かって前進する。そんな希望が満ち溢れてると感じるのです。
当然、その後の彼の未来は暗くなっていきます。
ですが、この曲に感じる明るさは消えないどころか、なにか胸に詰まってくるものがあります。

楽曲の真価を問う演奏

シューマンの交響曲についてまわっていた野暮ったい印象を完全に払拭してくれた快演。
ここでバーンスタインがウィーン・フィル引き出しているサウンドはダイナミックな振幅を持ちながらも常に透明感を保っており、バーンスタインがこの作品に抱いている想いをパーフェクトにビジュアライズしているのではないかと思われるほど素晴らしい。
もちろん演奏の内容は言うまでもない。それぞれの音楽素材はどれも丁寧に歌い込まれて豊かな表情を見せる。しかしセンチメンタルな表現に陥ることは決してなく、まさにロマンティクの化身とも言えるシューマンの魅力を存分に味わせてくれる。
シューマンの作品に馴染みがない方は、ぜひともこの演奏に接して管弦楽曲作家としての彼の魅力に触れてみてほしい。

シューマン:交響曲全集

タグ:シューマン

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気分が明るく落ち着く/プラダ [日記]

アカデミー・オブ・セント・マーティン・イン・ザ・フィールズのモーツァルト療法
胎教用に購入しました

妊娠5カ月の後半から、家事をしたりちょっとゆっくりしたい時に聴いています。
クラシックは大人になってからあまり聞いていませんでしたが、このCDは飽きずに聞く事が出来ました。
お腹の赤ちゃんも良く動いてくれてるようで、一緒に聴いてくれていると思います。
レビューを見てから胎教用に2だけ先に購入しましたが、1と3も買ってみようかなと思います。

気分が明るく落ち着く

私はもともとモーツァルトは好きなのですが、これは気持ちがゆったりとして落ち着きます。切迫早産で入院中に購入しました。ピアノやオーケストラなど、何度も繰り返し聞いても飽きない内容です。

いい子が生まれました♪

以前モーツアルトを聞くと育てやすい子が産まれると聞き、妊娠中、出産後の現在と聞いています。おかげで今まで夜泣きもないし、何もトラブルもなくすくすくと育ってます。あまり気負わず、車に乗っているときや、思い出したときに流す程度でも十分気持ちも休まるし効果があったと思います。

モーツァルト療法 ~音の最先端セラピー ~2.胎児の耳に響くモーツァルト ~聞き耳を立てている胎児の耳へ贈

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ミステリーの宝庫/セカンド [日記]

I・アシモフのビッグ・アップル・ミステリー

粒ぞろいの作品群ながら翻訳に難あり!

流石にアシモフ先生編集なので面白い作品が多いのですが、首をひねらざるを得ない日本語があまたあるのに気付きました。どうも翻訳に難があるようです。アシモフ先生自身が著した「黒後家蜘蛛の会」の傑作「よきサマリアびと」が載っていますので冒頭の一節を本書の常盤新平訳と黒後家シリーズ通しての訳者である池央耿の翻訳で比較します。●常盤訳「黒後家蜘蛛の会は、マリオゴンザロが月例の会食のホスト役をつとめるときは、異常事態を覚悟しなければならないことを身に沁みて知っている。彼らはまったく自動的に惨事に対処する心構えをするという境地にまで達していた。彼のゲストが到着したとき、定員がちゃんとそろっていて、ゲストの方もせめて片ことの英語を話せるようなら、青天の霹靂みたいなものだった。」●池訳「<黒後蜘蛛の会>の面々はたび重なる苦い経験から、マリオゴンザロが月例会食のホストに当たったときには何かしら常ならぬことが起こらずには済まないと覚悟していた。いや、それどころではない。彼らは知らず知らずのうちに天変地異に対して身構えるような気持ちにすらなっている。ゴンザロに連れられてやって来たゲストが人並みの頭を持ち、少なくとも片言の英語くらいは話せるということであれば、一同はほっと安堵の胸を撫でおろすほどである。」…原書にもあたりましたが池訳は正確で日本語も練れています。一方常盤訳は「定員がちゃんとそろっていて」と「青天の霹靂」が明らかに誤訳ですし日本語も稚拙です。まるで出来の悪い学生の英文和訳の解答のようです。このような翻訳和文が全編通じて続きますので読む方は隔靴掻痒の感にさいなまれます。面白いアンソロジーなのに残念でなりません。


犯罪都市ニューヨークはミステリーの宝庫

ビッグ・アップル・ミステリー―マンハッタン12の事件

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アメリカの時代の変化を感じ取れる/ショルダー [日記]

デヴィッド ハルバースタムの男たちの大リーグ

本物の大リーガーたち

本書を読んでから、現在の大リーグ(MLB)に興味がなくなってしまった。現在の大リーグが好きでたまらない人は読まない方がいいかもしれない。プレーオフが無意味だとは思わないけれど、この本を読んでしまうと、どうなんだろうと考えてしまう。それに、ジョー・ディマジオやテッド・ウィリアムズといった本当の超一流の大リーガーたちが出てくるわけだから、今の大リーガーたちが霞んでしまうのも仕方ない(記録面では、上回っている選手がたくさんいるんだけど、何かが足りない)。
本書の責任ではないが、ここで描かれた時代の大リーグには、黒人が極めてすくなかったことだけが残念。
大リーグ好きにではなく、野球好きに読んで欲しい本。

最高のスポーツ・ノンフィクション

 既にノンフィクションライターとして押しも押されぬ実績を持ったハルバースタムが己の幼少期のあこがれであったメジャー・リーガー達を題材に満を持して挑んだ傑作。

 私がこの本を読むまで知っていた登場人物は有名なディマジオ兄弟と天才打者テッド・ウィリアムズ、後はせいぜい剛球リリーフ・エースのジョー・ペイジ位で、それ以外はこの本を読んで初めて知った人物ばかりであったが、取り上げられた多くの選手への丁寧で愛情溢れる描写が素晴らしく、読み終えた頃にはどの選手も昔から知っているかの様に思えた。

 子供の様に無邪気ながら頑固でマスコミやファンとの全面対決も辞さないウィリアムス、孤高で怪我と戦いながらも現役最後の輝きを見せるジョー・ディマジオ以外でも文盲で大酒飲みのレッドソックスのエース、エリス・キンダーの項は古の豪傑を観る思いであった。

 グラウンドや選手以外にもウィリアムズを執拗に攻撃するスポーツライターや、ヤンキース選手行き着けであったナイトクラブの文化、当時ニューヨークやボストン近郊に住んでいた現在の著名人達にとって子供時代にいかにベースボールが重要な存在であったか等の記述も実に興味深かった。

スポーツ書かせても面白い

原題は1949年の夏。ヤンキースとレッドソックス、ディマジオとテ
ッド・ウィリアムズの争いを描いている。1948年、プレーオフに敗
れたレッドソックスは、翌1949年、残り二試合を残した時点で首位
に立っていた。あとは一ゲーム差の二位ヤンキースとの直接対決ニ連戦
を残すのみ。そこにいたるまでのプロセスとニ連戦を、希代のストーリ
ーテーラーハルバースタムが余すことなく書き上げている。
同時に、人種問題(黒人選手)、マスコミとチームと選手との関係変
化、テレビの登場といった、背景にある事柄を、いつもの彼のスタイル
どおりエピソードを積み重ね書いていく。
いわば、古きよき時代の最期を彼は書いたことになる。これは彼の別の
作品「フィフティーズ」の直前の時期でもある。同時に「フィフティー
ズ」も読むと、アメリカの時代の変化を感じ取れる。

男たちの大リーグ

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雅楽復活!/スクール [日記]

戸板 康二のグリーン車の子供―中村雅楽探偵全集〈2〉

中村雅楽の探偵譚全集二冊目

東京創元社より出版されている、『團十郎切腹事件』に続く、老歌舞伎俳優 中村雅楽の探偵譚全集二冊目。日本推理作家協会賞短編部門を受賞した表題作『グリーン車の子供』を含む短編十八作が収録されています。

この中村雅楽の全集、多少の例外を除き、発表順に短編作品を収録していっているようですが、一冊目『團十郎切腹事件』に比べ、殺人や盗難といった事件が少なくなってきていて、かわりに「日常の謎」と呼ばれている類いの謎解きが多くなってきています。
舞台や登場人物が、劇場、歌舞伎役者、俳優とその周辺とに限られているので、続けて読んでいると新鮮味に乏しく地味な印象を与えるといった欠点はあるものの、探偵役の中村雅楽の、人の心の中まで見透かすような鋭い観察眼や、その心の微妙な動きを感じ取り優しく見守る温かさなどの人柄が読み取れ、また、小道具を上手に使ったりとミステリとしてもよくできている作品が多く、おもしろく読むことができました。

雅楽復活!

名探偵・中村雅楽がいよいよ復活!
歌舞伎評論家として名高い戸板氏がその知識と経験をフルに活かした
軽妙な推理テクニックを堪能できる一冊です。

表題の「グリーン車?」は推理協会賞を受賞した傑作であり、
非道な犯人や事件めいた出来事も全く発生しないという異例の短編作品です。
歌舞伎の裏事情を巧みに取り入れた舞台構成の中、名探偵・雅楽が一本取られてしまう
意外性。そして何ともいえない読後の清々しさ感。
このシリーズの全てを体言していると言っても差し支えないエピソードです。

しかしながら・・・。
歌舞伎の裏舞台を引用しているせいか、歌舞伎に精通した方だと途中でネタが
わかってしまうという弱点が存在するのも本シリーズのご愛嬌(苦笑)。
星一つマイナスはそのハンデ部分。

グリーン車の子供―中村雅楽探偵全集〈2〉

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コーラよりペプシ/アニエス [日記]

R. エンリコのコーラ戦争に勝った!

読み物として面白い

早いはなしが、コーラとのシェア争いに
過去の一時期に置いて勝ったかも知れないという自慢なのですが
自慢の仕方が上品なので嫌な印象は受けません。
けっこう苦労するんだな?と思わせてくれます。

マイケル・ジャクソンとのCM契約の裏舞台などが読めて
なかなか楽しく読ませてくれます。

あと、個人的にもコーラよりペプシが好きですね。

なるほど面白い。

面白いが、ただ、しかし。
「結局、勝ってねえべ?」
という一点に、感想は尽きる。

読み物として面白いということとは、また別の次元。
要は、ペプシは敗者のままであり、コークに一矢報いただけ、という成果。
その反面、費用対効果のあまりの劣悪さに、鳥肌が立つ。

ペプシは、販売価格の7、8割のコストを当該キャンペーンに注入したのではないのか?
アホちゃうか?
2社寡占状態で、それほどのトップ争いに、ペプシにとってなんの意味があるのか?
え?ロマン?ははははは…(爆笑)。

ほぼ満足

古い本なので多少のシミなどはありましたが、読む分には全く問題なかった。
注文してからすぐに郵送していただいてとても助かりました。

コーラ戦争に勝った!―ペプシ社長が明かすマーケティングのすべて

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秀逸なサイコホラー [日記]

他人と無縁ではいられない「孤独」が切ない

 天童荒太の作品では、良い人しか出てこないような印象がある。もちろん、犯人はいるのだが、犯人には犯行に至った経緯があり、一概には責められない。犯人もまた被害者の側面を持っている。そんな作者の声を感じる。これが他のミステリとは違うように思える。
 本作品はノンフィクションだと言われても違和感のない作品だ。特に犯人が被害者の身体の一部を持ちあるいて弄ぶところが恐ろしい。知っている地名が頻出するので、そういう意味でも不気味だった。
 二つの事件が一点で交差して、そこから犯人にいかにたどり着くか、主人公の女性刑事の視点と行動が非常に面白かったし、主人公とバイト青年の交流も他人とは無縁でいられない社会の中での孤独を強調していて印象深かった。


怖い、でも

気にはなっていながら暗いイメージがあり手が出なかったのですが、「あふれた愛」を読み、興味を持ち遅ればせながら読ませていただきました。犯行時の描写がきつく、まるでハンニバル。
なのに、何故かどんどん引き込まれてゆく。久しぶりに熱を帯びて読ませていただいたサイコミステリー。内容も濃く、早く結末を知りたい気持ちと、読み終わりたくない気持の葛藤の連続で、もったいぶって読み終わりました。人間の心理、孤独というものを改めて考えさせられ素直に面白い本だと思えました。内容は重いのですが一読してみてはいかがでしょうか。
孤独という意味合いも人それぞれ抱えているのだと思いました。人を見る目が少しやさしくなる気がします。がんばりましょうって。。誰かによりかかってもいいんだからと。。


天童荒太のデビュー作。秀逸なサイコホラー。

この題名から、「孤独」というものを考える作品のように思われがちですが、そんな説教じみた内容ではありません。異常な性癖を持つサイコキラーの残虐な犯罪とその背景、事件を明らかにしてゆく女性警官と青年のからみなど、秀逸なサイコホラーのエンターテイメントとして、楽しめる作品です。ややグロテスクでサディステックな描写が多いので、ご注意を。

孤独の歌声




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温かな心の通い合いに触れる短編集 [日記]

天道荒太のあふれた愛

ひと恋しい人、そんな時期にオススメです!!

いいんです。
寂しくて、あたたかくて、希望に満ちたかと思うとその余韻に負けそうになる。

 そしてまたそれぞれの物語を振り返ってしまう。
支え合い、崩れ、寄り添う愛にはいろいろなドラマがあふれてくる。

 大切に、とっておきたい4編が「無理しなくっていいんだよ」と語りかけてくるようです。


読んでいてつらくなる・・・しかし胸に刻まれる何かがある

さらっと読めてしまえば楽なんでしょうが、それを許さないようなオーラというか情念が作品にこもっている気がします。
なぜこの作者はここまで人間のつらい部分に目をそらすことなく向き合えるのか・・・その才能だけで脱帽です。

作家というものは長編か短編のどちらかの才能しかないと誰かが言っていましたが、これは各作品とも短編として完成度が高く、主に長編作家である天童荒太の可能性を感じさせてくれます。

温かな心の通い合いに触れる短編集

目に見える表面的なものよりも大事なものがあるのではないかと気付かせてくれる作品。
弱さも強さも一長一短で相手の想いを素直に受け止める気持ちの余裕が必要だという事を学びました。

あふれた愛


タグ:天道荒太

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いつのまにか流れてゆくもの [日記]

太宰 治の女生徒

乙女病
高校生の時、女子ばかりのクラスでした。

違うグループの子が、
「わかいうちに死にたい、年を取るなんて考えられない」
歌うような、嘆くようなどちらともつかない調子でこぼしていたのを思い出しました。

表題作の「女生徒」は
「私はもう子どもではない、しかし大人の女にもなりたくない」
「こんな場所はいやだ、でもなんて美しいの!」と
くるくるかわる少女の心情の描写がむずがゆいような、気持ちいいような。
他にも心のささくれを撫でるような雰囲気の、
女性一人称の短編小説集です。

「走れメロス」しか知らなかったので、女性一人称小説の鋭さ、鮮やかさに驚きました。
太宰氏に惹かれた女性たちの気持ち、なんだかわかるような気がします。

それと全体的に「いやそんな、思いつめすぎだよ!」
という女性が多いのはこの作者さんのカラーですよね。

知られたくない気持ちと気付いて欲しい気持ち
表題作の女生徒は、少女の成長への戸惑いや、社会への違和感を
少女の何気ない一日の中で表現した作品です。

読むと「これ自分のことだ…!」と思わずにはいられないのが太宰作品の魅力ですが、
この作品も思春期のただ中にある人や、思春期を通り過ぎた人なら
誰でも強くシンクロしてしまう内容となっています。

主人公の少女は、自分の下着に薔薇の刺繍があることを誰も知らないという、自分だけの秘密に
優越感を持っています。成長していく中で、人は社会からの視線や評価を免れることはできません。
しかし、こうした何気ない主人公の自意識に触れると、自分しか知らない自分がいるということもまた大切なことだと感じさせられます。

自分を知られたくない気持ちと、誰かに気付いて欲しい気持ち。
この二つは表裏一体なのかもしれません。

いつのまにか流れてゆくもの
太宰治は好きな作家ですけれども
これは数々の有名作をおさえて、傑作だ!と思っている短編集。
女性の独白の物語を集めたもので、どれもいいのですが…。
表題作の「女生徒」はまた際立っています。

ある一人の女生徒の朝から夜までのお話。
日常の生活の中で、何の脈絡もないように生まれては消えていく感情。
その一瞬には確かにあるのに、あったことをちゃんと知っているのに、
いつのまにか流れて見えなくなるものが書かれている。


私はお米を研ぐのが好きなのですが
さりさりとお米を撫ぜながら水を流していると
どんどん心がまっしろになっていって
でも何かぼんやりと考えています。
すごく大事なとことがわかった気がするのに
あらためて振り返ってみても思い出せない…。

そんなふうに一瞬一瞬にたどり着いている透明でかたちないものを
文章で書ききっているのです。
やはり太宰はすごい。

他の作品とはちょっと違う雰囲気があるので
太宰はいまいち…と思っていた人も手にとってもらいたいです。
女生徒

タグ:太宰 治

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