一人旅したくなりました [読書]

自分も旅へ出たくなった

イラストレーターたかぎなおこさんによる、最北の地北海道稚内から四国道後温泉まで、日本全国の温泉をめぐるおんな一人旅。

7つの旅が紹介されている。

特に観光名所や、有名温泉が紹介されているわけではなく、ひたすら自分の旅のあとをユニークなイラストを交えて紹介している。

正直、かなり笑える。
乗る、入る(温泉へ)、食べる。
この3つしか描かれていないのだが…。

旅で使った乗り物(飛行機、鉄道、バス)、行った先々で入った温泉(銭湯みたいな湯もある)、そして食べた品々(毎回飲みもある)。
これらを、車内の人物模様、入った温泉の感想、食べた料理の紹介などなどユニークなイラストで面白おかしく描いている。


ローカル線でいきなり途中下車したり、ローカルバスを乗り継いだりと、行動力は一品だ。
(しかし、宿とか帰りの飛行機の時間とか、肝心なところは、かなり計画とおりではある)

毎回、使ったお金を細かく記載してるところも、旅のフォロワーにはかなり役立つだろう。

いつも昼からビールを飲んでいる大胆な旅だが、この本を読んで、自分も久しぶりにローカル線の旅がしたくなった。

一人旅したくなりました

絵も雰囲気もほんわかしていて可愛いです。一人でゆっくり温泉に行きたくなっちゃいました。
たかぎなおこさんの本が好きで大体読んでいるのですが、あえて言うなら
今回は読んでいてちょっとだけ「ものたりなさ」を感じてしまったかも?
作者がひたすら出かけてご当地グルメを味わって、観光地の写真を載せてのくり返し。
「ひとりぐらし」シリーズや「浮草デイズ」、「ひとりたび一年生」などは作者の気持ちの移り変わりや
はじめてチャレンジするときのどきどきする感じなどが丁寧に描写されていて、
何度も読み返したくなるとても素敵な本だと思いました。
それらと比較すると、今回の本はあまりたかぎさんが描く意味がないような気がします。

とはいえ、疲れた時に手にとってのんびり眺めるには楽しい一冊だと思います。


今まで通り良かったけど…

今までのたかぎさんの本はだいたい持っていて、私は愛読者だと自分で思います。今回も買おうと思ったら今までの愛読者の方々のレビューが結構「イマイチ」的な内容だったので、一瞬、買うのを躊躇しましたが、買って正解でした。マラソンを読んだ時はマラソンしたくなったし、一人旅のときは一人旅したくなったように、今回もローカル鉄道に乗りたくなりました。今回もローカル鉄道に乗る上での、失敗や驚きがキチンと説明してあり、確かにテツオさんには物足りない内容かもしれませんが、あまり詳しくない私には充分な内容で、ローカル線に乗ってみたい気持ちになりました。確かに旅自体には慣れてる感はありますが、あれだけ旅してたら当たり前かなとだからこそ、未体験のローカル線に挑戦されたんだと私は思いました。ローカル線ならではの失敗もされてますし(笑)今までの愛読者の方もはじめての方も楽しめる本になってると私は思いました。とりあえず、道後温泉にはいこうかなーーと思います。鉄道はもちろん、温泉も楽しそうですし。そういう気持ちにさせてくれる本ですよ。

ローカル線で温泉ひとりたび
たかぎなおこ

ジバンシー

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よく取材されてます [読書]

相手になめられない交渉術
1ページ目から、いきなりの誤植が興醒め。
「ベイルートの首都レバノン」じゃなくて、「レバノンの首都ベイルート」だろ・・・頼みますよ。
本編は細かい表現が多いので、他のミスプリント群も目立って見える。
校正まできちっと出来なかったところは残念。
_____________________________________________________________総合商社を中心とした通常業務(とはいっても日本で働く我々にとっては異常)から、政府関係者、トレーダーの一歩踏み込んだヤバイ仕事まで。
日本へどうやってエネルギー資源が供給されているのかが話の根幹。
商売人が利権、利潤のために切った張ったを展開。
お互いのビジネス戦略が絡み合い、三方良しとなるか?はたまた抜け駆けされて足元をすくわれるか?1から10、プロジェクト開始から終了の段取りまで、流れが決まっているわけではなく、各社"オレに仕切らせてくれ"と未開拓地を切り開く。
そこには成り行き以外にも、策略や謀略の類が仕掛けられていて・・・各自が育てあげてきた我が子のようなプロジェクト。
いったい、いつどこでぶつかり合うのか?
エネルギービジネスを通して描く21世紀
著者の小説は、「巨大投資銀行」に続き2作目。
率直に言うと、後半はどこまで理解出来たか、自信がない(笑)。
「巨大投資銀行」は、金融の世界を通じて、バブル前夜から、その崩壊までの時代を描いたもので、すでに「歴史」になった時代のことだったからなのか、スムーズに読めたのに較べると、今作はエネルギー問題そのものの見通しの難しさからか、エネルギービジネスのスキュームの複雑さからなのか、今現在のことだからなのか…、とにかく後半は難解に感じてしまった。
下巻の3分の1を、苦手な数学の授業を受けているような気分で、とにかくも読み切ることができたのは、やはり作品の持つ力ゆえだろうか。
私のように金融、経済にあまり詳しくない方は、「巨大投資銀行」を読んでからの方が、分かりやすいと思う。
少なくとも、下巻の3分の1位までは、物語を楽しめるはずである。

よく取材されてます
小説自体のストーリー性は並だと思いますが、描写の仕方が素晴らしいというかリアリティーが感じられてすごいです。
商社とかトレーディングに興味ある人には面白いと思います。
エネルギー(上)黒木 亮

アニエスベー かごバッグ


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しかし,江戸時代って,不思議な時代です [読書]

高橋 克彦のだましゑ歌麿

柳橋界隈じゃ南町の千一に胸を焦がしている女が大勢おります
 人気絵師歌麿の女房が大水のどさくさにまぎれて殺される事件がおきた。
 南町同心の仙波が探ろうとしていたが、歌麿が「病死」の届けをだしてしまい事件自体がもみ消されてしまった。
 改革で贅沢品の取り締まりが厳しくなる世相の中、こんどは「蔵に贅沢品をしまっていた店」を狙った押し込み強盗が出没する。

 南町同心の仙波の捕り物が主軸で、実在の歌麿や蔦屋重三郎、若き日野葛飾北斎が意外な活躍を見せてくれます。
 推理の謎解きの面白さにくわえ、当時の庶民の暮らしぶりや浮世絵や狂歌、黄表紙といったものの描写が身近に感じられて楽しく読みました。
 

 

誤摩化し無しの考証
江戸史と美術史の考証はさすがです。情報量が多い今日では、この手の小説は、とても文章力だけでは読んでいられません。歴史と言えども人の営み、文化的には、実は平成の方が昭和より江戸後期に近いので、かえって、あんまり古い作家 にはこうした爛熟文化の艶は描ききれない感覚だと思います。この本は最近テレビドラマになりましたが、別ものとして観た方が面白いでしょう。二時間ドラマでこんな複雑さは出せませんが、逆に、視覚効果では、ドラマに出来て文字では無理なものがありますから。原作では、主題の歌麿自身以上に北斎が面白い。日本のルネサンスでしたよね、この頃は。北斎の巨人振りの片鱗をちゃんと感じさせてくれる、美術史の素人では書けない素敵な一編です。

江戸時代に思いをはせる
「歌麿」に一貫して「うたまる」というふりがながついていましたが,「うたまる」のほうが正しいのかな? ずっと「うたまろ」だと思っていました.漢字変換しても出てこないし.

物語は,松平定信の行き過ぎた改革でぎくしゃくしている江戸の町で,人気絵師歌麿の女房が惨殺され,南町奉行所の同心,仙波一之進がそれを探るうち,陰謀が明らかになっていくというもの.

歌麿はじめ,松平定信とか長谷川平蔵,京伝や北斎など実在の人物がいっぱい出てきます.おなじみの名前は,それぞれ持っているイメージというか,先入観みたいなものがあるので,それがぶちこわされるのも面白かったです.
松本幸四郎=鼻高屋ってのもありましたし,蔦屋ってのは今のTSUTAYAなんだろうかとか,本筋と離れたところでの楽しみもありました.←調べてみたところ,違うようです.ただ,TSUTAYA創立の際,蔦屋にあやかって社名をつけたようですが.

しかし,江戸時代って,不思議な時代です.
生活様式も考え方も,まるで遠い外国みたいにまったく違うし,制度もよくわからない.警察組織なんて,なんかわかったようなわからないような,という部分で,わたしにとっては,アメリカの警察制度と変りません.
でも,見知った名前は出てくるし,なんだか郷愁を誘う部分もあるし,すごく魅力的です.遠いけど,でもつながっているってところがいいのかもしれません
だましゑ歌麿

ヒップバッグ

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